”がんと生きる”患者と家族の交流誌、月刊がん「もっといい日」(日本医療情報出版)から取材があり、2001年5月号で、このHPが紹介されました。
購読者2万人の直送雑誌で、一般書店では入手できないそうですので、以下、HP紹介文を記します。


 私は、自分で自分を肺癌と診断しました。現在の医学では治癒させることのできない癌と判明し、ホームページ作成を思い立ちました。理由はふたつあります。

 ひとつは、医師であり癌患者でもある自分にしか作れないホームページができると考えたからです。インターネットで検索すると一般の方の闘病日記は多数ありますが、それらは医師の眼から見ますと、訪れた人に正確な医学情報を提供できていないように思われました。単なる闘病日記ではなく、訪れた方すべてに何らかのメッセージを感じてもらえるようなサイトを作りたいと思いました。医師としての現場復帰がかなわぬ以上、残された時間の生きがいとして、役立つサイトを作りたかったのです。
 化学療法を受けながら1か月間で作成したものとしては、満足できるページができました。

 もうひとつの理由は、自分の子供たちへ遺すためです。下の子はまだ8歳ですので、私の記憶があまり残らないかもしれません。しかし、私の死後もホームページは残ります。子供たちが成長した後にホームページを見せることで、自分の父親がどういう人物で、どんなことを考えていた人間なのかを知ってもらいたいと思ったのです。

 開設後にいただいたメールでは、予想した通り見る人によって感じ方は様々で、関心を持って読んでいただく部分も異なります。癌患者の家族の方、医学生、医療従事者など、立場が変われば同じ文章を読んでも受けとめ方は変わります。それでいいのです。私は自分の考えを人に押しつけるつもりはありません。ホームページを訪れていただいて、何かを感じていただければ幸せです。

 化学療法中には、白血球が減少して個室隔離となり面会謝絶になってしまうことがあります。そんな時、病室から家族や友人とメールのやり取りができることは闘病する心の支えになります。
 また、医学生の方から、「ホームページを見て、いろいろ考えさせられ、勉強する意欲が出てきました」というようなメールをいただくと、ホームページを作って本当に良かったと思いますし、そのような反響がさらなる闘病への勇気につながっていきます。
 もしEメールのやり取りやホームページ作成ができなかったとしたら、私の闘病生活はとても暗くつらいものになっていたことでしょう。インターネットの存在が、私の人生を意義あるものにしてくれています。

 ただ、インターネット上には詐欺商法など有害なサイトも数多いことだけは心しておかなければなりません。インターネット上の情報を鵜呑みにしない賢さを持って、大いにインターネットを活用したいものです。
 全国の病院や名医紹介などといったサイトもありますが、現段階で信頼に足るものは私の知る限り全くありませんので、ご注意ください。患者が自分の受診する病院や医師をインターネットで探す時代は、まだもう少し先になると思います。